【映画レビュー】『ミッシングID』|”自分は誰なのか”を追い求める若者の逃走劇──テイラー・ロートナーが挑んだ本格アクション

SF

今回は、2011年公開のアクションスリラー『ミッシングID(Abduction)』をご紹介します。
主演は『トワイライト』シリーズで大ブレイクしたテイラー・ロートナー
10代向けのラブストーリーとは一線を画す、**「アイデンティティの喪失と追跡の恐怖」**を描いた本格的なサスペンスです。


🎬 基本情報|映画『ミッシングID(Abduction)』

項目内容
原題Abduction
公開年2011年
日本公開2012年
監督ジョン・シングルトン(『ボーイズ・ン・ザ・フッド』)
脚本ショーン・クリステンセン
主演テイラー・ロートナー、リリー・コリンズ、アルフレッド・モリナ、シガニー・ウィーバー
ジャンルアクション/スリラー/青春
上映時間約106分

🕵️‍♂️ あらすじ(ネタバレなし)

高校生ネイサン(テイラー・ロートナー)は、ある日、学校の課題で「誘拐された子どもの顔を合成するサイト」を使い、
自分の幼少期にそっくりな写真が“行方不明児童”として掲載されているのを発見する。

「俺は一体誰なんだ?」
その疑問を追ううちに、突如として命を狙われ、両親だと思っていた人々も真実を語らない。
謎の組織、CIA、ロシアのスパイ──
世界が一変したネイサンは、真実と自分自身を取り戻すため、危険な逃走劇へと身を投じていく。


🎯 見どころ・魅力解説

🔥 テイラー・ロートナーのアクション俳優としての挑戦

本作の最大の魅力は、主演テイラー・ロートナーの肉体派アクションです。
『トワイライト』では狼男役として注目された彼が、本作では本格的な格闘・追跡・スタントに挑戦。

特に電車上のバトルや、地下鉄の逃走シーンは、アクション映画としても非常に完成度が高く、
若手俳優としての“脱アイドル的な路線変更”を感じさせます。


🧠 「自分は誰なのか?」という普遍的テーマ

物語の核心にあるのは、“自分の正体を知ること”への欲望。
青春期の主人公が、アイデンティティを喪失し、**「過去と向き合いながら自分を確立していく」**というテーマは、若年層にとっても共感しやすい要素。

また、他人を信じられない状況下で、自分の意思を貫くネイサンの姿には、現代の「選択の重み」を映す一面もあります。


🎥 脇を固めるベテラン俳優たち

シガニー・ウィーバー(『エイリアン』)、アルフレッド・モリナ(『スパイダーマン2』)など、名優たちが脇を固めているのもポイント。

彼らの存在感によって、物語に深みと緊張感が加わり、単なる若者向けスリラーで終わらない大人の雰囲気も持ち合わせています。


🤔 評価まとめ(5段階)

項目評価
アクション★★★★☆(実写スタントの迫力)
ストーリー★★★☆☆(展開に既視感あり)
サスペンス★★★★☆(緊張感ある追跡劇)
俳優の魅力★★★★☆(主演・脇役ともに健闘)
エンタメ性★★★★☆(テンポよく最後まで楽しめる)

📝 まとめの感想|自分を取り戻す旅路が、観客自身の“アイデンティティ”を揺さぶる

『ミッシングID』は、若者が突然命を狙われ、自分の存在が“嘘の上に築かれていた”ことに気づくという、サスペンスの王道を描いた作品です。

決して斬新なプロットではありませんが、その分エンタメとしてのテンポ感と安心感があり、誰にでも入り込みやすい内容になっています。

主演のテイラー・ロートナーは、「自分を証明するために逃げる」という役柄に真摯に向き合い、
スタントのほとんどを自らこなすことで、作品にリアリティを与えています。

また、「信じていた人が実は敵かもしれない」という不信感の連続が、観客にも強い没入感をもたらします。
そして最後には、「それでも、自分で選んだ道を生きる」という希望を提示して終わることで、青春映画としても爽やかな余韻を残します。

派手すぎず、でも丁寧に作られた良質なアクションサスペンス。
“気軽にスリルを楽しみたいけど、感情も動かされたい”という方に、ぴったりの一本です。


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