今回は、国家による監視の実態を暴露し世界を揺るがせた、実在の告発者エドワード・スノーデンの物語を描いた映画『スノーデン(Snowden)』をレビューします。
“安全”という名のもとに私たちのプライバシーはどこまで踏みにじられているのか?
本作は、現代社会が直面するリアルな問題を映像化した、考えさせられる一本です。
🎬 映画『スノーデン』基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
原題 | Snowden |
公開年 | 2016年 |
監督 | オリバー・ストーン(『JFK』『プラトーン』など) |
脚本 | キーラン・フィッツジェラルド、オリバー・ストーン |
原作 | ルーク・ハーディング『スノーデンファイル』ほか |
上映時間 | 134分 |
ジャンル | 伝記/サスペンス/社会派ドラマ |
主演 | ジョセフ・ゴードン=レヴィット、シャイリーン・ウッドリー、ニコラス・ケイジ |
日本公開 | 2017年1月27日 |
🧠 あらすじ(ネタバレなし)
アメリカ国家安全保障局(NSA)に勤務する青年、エドワード・スノーデン。
彼は、自国政府がテロ対策を名目に、世界中の一般市民を含む膨大な情報を密かに収集・監視している実態に直面する。
理想と現実の狭間で苦悩した彼は、ある日すべてを暴露する決断を下す――
“国家反逆者”か、それとも“現代の英雄”か?
🕵️ レビュー|ひとりの決断が、世界を変える
🎭 ジョセフ・ゴードン=レヴィットの熱演
エドワード・スノーデン役を演じたのは、ジョセフ・ゴードン=レヴィット。
実在のスノーデンの話し方や身振りを完璧に再現し、繊細かつ理知的な人物像を丁寧に表現しています。
特に彼の目の動き、声のトーン、葛藤する表情には、静かな怒りと使命感が込められていて、非常に説得力がありました。
🧨 「監視社会」というリアルすぎる恐怖
本作が描いているのは、もはや“フィクションのような現実”。
監視カメラやスマホ、SNS、通話記録……
ありとあらゆるものが、政府の目に晒されているという状況に、背筋が凍る思いをするはずです。
しかもこれは、架空の世界ではない。あなたの現実でも起こっているかもしれない、という事実が本当に恐ろしい。
🔍 政治と個人、どちらを守るべきか?
スノーデンは、国を守るためにNSAで働いていた。しかしそこで知ったのは、正義とされる行動が、他人の自由を踏みにじっているという矛盾。
「情報を知ってしまった者の責任とは?
真実を暴露することは、本当に正しいのか?」
この映画はその問いを、観客一人ひとりに突きつけてきます。
💬 ドキュメンタリーと併せて観ると◎
同じくスノーデンを描いたドキュメンタリー映画『シチズンフォー(Citizenfour)』と併せて観ると、より理解が深まります。
『スノーデン』はフィクションとしての再構成ながら、驚くほど正確で丁寧に作られていることがわかるでしょう。
📊 評価まとめ
項目 | 評価 |
---|---|
演技 | ★★★★★ |
サスペンス性 | ★★★★☆ |
社会的メッセージ | ★★★★★ |
映像演出 | ★★★★☆ |
リピート価値 | ★★★★☆ |
👥 こんな人におすすめ!
- 実話ベースの社会派映画が好きな人
- 『JFK』『スポットライト』『シカゴ7裁判』などが好きな人
- 政治と個人の関係性に興味がある人
- プライバシーと自由の価値について考えたい人
- サスペンスとドラマを両立させた作品を探している人
📝 まとめの感想|「知らなかった」では済まされない現実がここにある
『スノーデン』は、政治サスペンスとしても非常に優れていながら、一人の青年の成長と覚悟を描く人間ドラマとしても深く響きます。
国家の正義とは何か?
自由とはどこまで守られるべきか?
そして、我々は本当に「見られていない」と言い切れるのか?
この映画を観ることで、スマホを手に取るたび、誰かに“監視されているかもしれない”という現実が頭をよぎるかもしれません。
決して大げさではなく、本作は現代を生きる全ての人に観てほしい一本です。
自由とは何か? 真実とは何か? その答えは、あなた自身の中にあるはずです。
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