『ジーサンズ はじめての強盗』レビュー|老いてなお現役!?スタローン×ドルフのシニア無双アクション

コメディ

🎬 基本情報

  • 原題:Never Too Late for Justice(通称 “Geezers”=ジーサンズ)
  • 公開年:2024年
  • 監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
  • 出演:シルヴェスター・スタローン、ドルフ・ラングレン、ダニー・トレホ、ロン・パールマン
  • ジャンル:アクションコメディ/クライム
  • 上映時間:約105分

※2024年に海外で公開された作品で、日本では限定公開または配信リリースがメインの話題作です。


🕯 あらすじ(ネタバレなし)

かつては伝説の強盗団として名を馳せた4人の男たち。
しかし今や彼らは老いぼれ扱いされ、老人ホームや地味な余生を送る日々。

ところが、かつての仲間が冤罪で逮捕され、さらに昔の因縁を持つ悪党が復活したことで状況が一変。

「もう一度だけ――俺たちの出番だ!」

シルヴェスター・スタローン率いるジーサンズは、杖を手に取り、年齢を超えたラストミッションに挑む!
果たして、老人だらけの強盗団は再び伝説を作れるのか!?


🎭 キャラクターと演技

🔹 バーニー(シルヴェスター・スタローン)

元・強盗団のリーダー。身体は老いても頭脳は現役。スタローンらしい渋みとユーモアのバランスが絶妙で、往年のファンならニヤリとする名台詞が満載。

🔹 グンナー(ドルフ・ラングレン)

かつての相棒。無口だが相変わらず怪力。老人ホームで筋トレばかりしている姿がシュールかつ笑える。

🔹 ダニー・トレホ演じる“狂犬”ラモン

老いてもまだ血気盛んな危険人物。トレホが出ているだけで画面に濃厚なB級臭が漂うのが最高。

🔹 ロン・パールマン演じる元宿敵ヴィクター

かつて彼らと対立した宿敵。老人になっても性格は変わらず、最後まで厄介な敵として立ちはだかる。


🎥 監督・演出

マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督(『ロブ・ロイ』などで知られる)が手掛けており、老人アクションコメディに痛快さと少しの哀愁を混ぜた演出が特徴。

  • スタローンやドルフといった往年のアクションスターの“老いた肉体”を逆に魅力に変える
  • ド派手な爆破や銃撃戦は控えめだが、テンポの良いギャグと軽快な会話劇が楽しい
  • 老人ホームや病院を舞台にした“アクションするには不釣り合いなロケーション”が逆に面白さを増している

🎯 テーマとメッセージ

  • 老いてもまだ終わりじゃない!
     人生の後半でも、やるべきことがあれば人は再び輝けるというメッセージ。
  • 仲間との絆は年齢を超える
     かつての仲間との友情・義理が物語を動かす中心にある。
  • アクションスターのセルフパロディ
     スタローンやドルフ自身のキャリアを茶化しながらもリスペクトする、メタ的な楽しさがある。

👍 見どころ

✅ 老人ホームからの脱走シーンはコミカルで爽快
✅ 杖や義足、車椅子を駆使した“老人版アクション”がユニーク
✅ スタローン&ドルフが『エクスペンダブルズ』を思わせる再タッグ
✅ ダニー・トレホ&ロン・パールマンという無駄に豪華な脇役陣
✅ ちょっと泣ける友情ドラマもあり


📝 まとめの感想(長め)

『ジーサンズ はじめての強盗』は、シルヴェスター・スタローンを筆頭に、かつてのアクションヒーローたちが“自虐ネタ”を交えながら大暴れする、痛快かつ愛すべきB級アクションコメディです。

内容としてはシンプルで、老人たちが再びチームを組んで悪党に立ち向かうという王道ストーリーですが、年齢を逆手に取ったユーモアと、どこか切ない哀愁が絶妙なバランスで描かれています。

特にスタローンは、自分がアクションスターとして“もう若くない”ことを理解した上で、その老いをキャラクターの魅力に昇華しています。ドルフ・ラングレンも無口な筋肉キャラを崩さず、しかし要所で笑いを取る演技が光ります。二人のやり取りは、まるで『エクスペンダブルズ』のセルフパロディのようで、ファンにはたまらないニヤリポイントの連続です。

また、ダニー・トレホやロン・パールマンといったクセの強いベテラン俳優たちが脇を固め、B級映画ならではの濃いキャラ祭りになっているのも魅力。**杖を武器にしたアクションや、車椅子チェイスなど“老人だからこそのアクション”**がアイデア勝負で面白く、単純に笑える娯楽作品として成立しています。

一方で、単なるコメディに終わらず、「老いてもまだ人生は終わらない」「仲間とならもう一度立ち上がれる」という前向きなテーマも込められており、観終わった後には少し温かい気持ちにもなれるのが意外な良さです。

もちろん、脚本や演出に深みを求める作品ではなく、**スタローンが再び仲間と暴れるのを見て楽しむ“ファン向けの映画”**という割り切った作りですが、その割り切りがむしろ心地よい一本でした。

総じて、アクションスターたちが歳を重ねてもまだスクリーンに立ち続ける姿が嬉しく、どこか人生の応援歌のようにも感じられる作品です。

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